海外へ渡航される方へ

★ 海外へ渡航・赴任される時に特に注意する点は、以下の3点と考えられます。

1) 救急車で運ばれるような、”急病”になる素因を持っていないかどうか。

2) 治療中の病気や服用中の薬の情報を、海外で通用する形で持っているかどうか。

3) 血液型や、抗体の有無等の感染症に対する対策をしているかどうか。

 

1)(急病の素因)に関しては

 海外渡航前健診 は、6ヶ月以上に渡り海外に赴任する人 に対して、受けてもらうことが、その雇用者に義務づけられています。通常の定期健康診断の項目に加えて、法令で定められている項目としては、”喀痰検査”のみですが、勧められている検査としては、血糖値・尿酸値・肝炎検査・胃の検査・腹部超音波検査・血液型(渡航前)・糞便検査(渡航後)があります。

 これらは全て、”急病”になる素因があるかどうかを見るものです。血糖値 は、糖尿病で低血糖発作や、高血糖による糖尿病性昏睡 などを起こす危険性がないかどうか、尿酸値 は、痛風発作や、腎臓結石発作 などの激しい発作を起こす危険性がないかどうか、胃の検査 は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍 などによる、強い腹痛を起こす危険性がないかどうか、腹部超音波検査 は、胆石発作 などの強い腹痛発作を起こす可能性がないかどうか、などについて診ておくものです。どの検査も、海外渡航前にはやっておくべき、非常に大切な検査 と考えます。
☆ これらで問題がなければ、ある程度、”急病”というものに関して、安心が出来るものと考えますが、逆にこれらで引っ掛かりのある方は、きちんとした治療なり、対処を行って海外に行くことが必要と思われます。

2)(自分の情報)に関しては

 何よりもまず、御自身の罹っている病気などがある場合には、その病名などの情報に関して、その国で通用する言語で情報を持っている必要性 があると考えられます。少なくとも、1)病名、2)服薬、3)大切な検査値(糖尿病であれば最近の血糖コントロールなど)に関しての情報を持っているべきです。なおこの際、最も注意する点は、薬剤の名前に関しては、商品名ではダメ!、ということです。しかし、その商品の成分の薬剤名は、世界共通 ですので、ぜひ医師に尋ねてください。実際の薬を所持していたとしても、まず海外では、その薬についての情報を得ることは出来ないので注意が必要です。

3)(感染の対策)に関しては

 交通事故や、テロなどを含め、海外で救急医療を受ける必要性が起きた場合 に、その生死を分けるのは、血液型などの情報を携帯しているかどうか にもかかって来ます。また感染症の代表的なものでは、肝炎があります。肝炎では、抗体を持っている場合と、持っていない場合では、治療の方法や対処の方法が異なります。予防注射の場合 にも、短期であればγグロブリンの注射や、長期に感染の危険性の高い職種と関わる場合などは、免疫を付ける為のワクチン接種など、方法に違いが生じます。しかしその様な対処を判断する為の抗体検査などには、通常、結果が出るまでに5日間程度の期間を要します。 ☆ 出かけるギリギリで、相談を受けることが多いのですが、海外渡航が決った時点で、医療機関を受診 することをお勧めします。また、熱帯、亜熱帯地方のマラリアなど、渡航地特有の感染症に対する予防などの知識や対処も必要と思われますので、医師に相談して下さい。

上記情報の携帯は、難しいものではありません!!。用紙1枚に十分記入できる内容です!!。
  この用紙1枚を持つかどうかで、海外で生活するにおいて、健康上の問題が生じた際には、天と地ほどの差が出ると考えられます。”備えあれば憂いなし”です。

海外へ持って行くべきと思われるものは!?

 海外でお腹を壊す場合 には、水の成分(電解質)などが体に合わずに便通が緩くなることもありますが、ひどい下痢や発熱、腹痛などを起こす場合、そのほとんどが、食事や水(飲み物の中の”氷”にも注意が必要です)に含まれる細菌が原因 です。その為、一番勧められるのは、その様な細菌に効力のある、”抗生物質”を持って行くことと思われます。抗生物質などに関しては、医師の処方箋が必要であり、予防薬は医療保険の適応とはなりませんが、渡航前にその地域について携行を勧められる薬などに関して、”かかりつけ”の医師に相談することをお勧めします。

渡航後に行うべき検査は!?

 これは何と言っても、糞便検査 と考えられます。特に衛生状態のあまり良くない地域に長く赴任をして帰って来たような場合には、寄生虫や、感染性腸疾患に関しての検査として、便の培養検査や、虫卵の有無に関しての検査を行うことをお勧めします。

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