エコノミークラス症候群について

どのような病気のことですか!?

 最近話題となっているエコノミークラス症候群は、飛行機のエコノミークラスに乗っていた人が、到着後に急に具合が悪くなり、死亡するという事故が相次いだことや、ワールドカップの前に、サッカー選手がこの病気を起こしたことなどで、トピックスとして広く知られるようになりました。しかしこの状態が、”同じ姿勢を続けたあとに急に動くこと”によって引き起こされる『肺塞栓』という病気であり、エコノミークラス限らず、ファーストクラスや、電車、自家用車、また長距離トラックの運転手さん にも同じように起きることが知られるようになり、現在ではその名称をして『ロングフライト血栓症』という呼び方が提唱されています。

どのような症状が出るのですか!?

 症状としては、長時間同じ姿勢を続けた後に動いた時、胸苦しさ胸痛呼吸困難 の症状が、比較的急速に現れ、心筋梗塞などとの鑑別が必要です。また、小さな肺塞栓の場合には、症状が強く出ないこともあるので注意が必要です。症状と、血液ガス検査や心臓超音波検査などで診断をすることが可能であり、肺塞栓は早い段階で治療をすれば、点滴などで血の塊を溶かして、後遺症なく治癒することも可能 です。長時間の移動の後に、”息苦しいな”という感覚が持続する場合には、放置せずに医療機関に受診することが大切と考えます。

何が原因で起こるのですか!?

 エコノミークラス症候群の原因 は、”深部静脈血栓症(DVT)”と呼ばれる、足の血管の内部に出来た血栓(血の塊)が、肺の血管に、血管の中を流れて肺の血管に詰まってしまう為に起こる、”肺塞栓症(PE)”という状態によって起こります。これにより、肺で酸素の取り込みが出来なくなって、呼吸困難や心臓停止などの重篤な事態が引き起こされます。

 その原因としては、 長時間に渡り、足を動かさない状態を続ける、ことにより、 → 足の静脈という太い血管に血の塊が出来て、 → それが血管を通って肺の血管に詰まる。ために起こります。
 この状態は、”長時間に渡り足を動かさない状態”に置かれることが原因です。これを起こし易い体質として、”下肢静脈瘤”という足の血管が膨らんでいる為に血液の流れの悪い人や(下肢静脈瘤について)、サッカー選手や、格闘技などのコンタクトスポーツの選手 なども、足をぶつけることにより血管内部が損傷され、血の塊が出来易い状態となります。その為、これらの条件を持つ人は、充分な注意が必要と言えます。

 起こし易い環境 としては、脱水の状態 にあると血液が濃い状態となる為、血の塊を作り易くなります。飛行機では、気圧の影響もあるとされますが、それ以上に、アルコールやコーヒーなど利尿作用のある飲み物をたくさん飲むことで、非常に多い確率で起こすことになるものとされています。

何に気を付ければ予防が出来ますか!?

注意するべき点は次の3点です!。

1)定期的に休息を取り、背伸びや屈伸などの運動を行う!

 これが何よりも大切で、一番効果的な方法と考えられます、自家用車での移動長距離トラックでの移動 の際にも、必ず高速道路ではサービスエリアなどでの休憩を取り、屈伸運動などをすることを心掛けてください!。もやもやとした血の塊も出来かかりのものでは、人間の体に備わる”線溶系”というそれを溶かす作用により、休息を取ることで、病気を起こす危険性を持った状態から、元の状態に戻すことが可能です。

2)座ったままでも、足を動かす工夫を!

 同じ状態で座ったままでも、足を組み換える、足首を手で回す、ふくらはぎを揉む、などを行うことも有効な補助手段です。

3)水分補給を心掛ける!

 そしてこれも大切なものとして、血液を濃くしない為に、水分の補給 を心掛けてください。その際は、利尿作用のあるお茶やコーヒー、アルコールなどは避けて、ミネラルウォーターなどを頻回に補給 することが非常に大切です。

これらに気を付けて、是非、怪我や事故のない、”快適な旅”にしましょう!!

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